FXトレーダーにとって、テクニカル分析はチャートの動向を予測するための重要な方法です。
その中でもフィボナッチのコンフルエンスは、フィボナッチ数列という明確な比率をもとにトレード判断ができるという点で、特に有力な分析法とされています。
本記事では、フィボナッチのコンフルエンスについて基本から理解すると共に、具体的なチャート分析への役立て方についても解説していきます。
フィボナッチ数列は、13世紀のイタリアの数学者レオナルド・フィボナッチによって発見された数学的なパターンです。
この数列は、0と1から始まり、次の数が直前の2つの数を足した値になるという性質を持ちます。
フィボナッチ数列の特徴は、各数値同士の比率です。
具体的には、各数値を直前の数値で割ると、特定の割合に近づくことが分かっています。
これらの割合は、フィボナッチ・リトレースメントと呼ばれ、主なレベルには23.6%、38.2%、50.0%、61.8%、78.2%があります。
過去の価格レベルから現在の価格レベルまでフィボナッチ・リトレースメントを引くことで、フィボナッチ比率での反発やサポートレジスタンスの水準を特定することができます。
つまり、フィボナッチは数学の奇跡から派生した価格分析手法といえます。
「コンフルエンス(Confluence)」は日本語で「合流」、「重なる」という意味があります。
つまり、フィボナッチが合流する、重なるのがフィボナッチのコンフルエンスということになります。
これはどういうことなのでしょうか?具体例でみていきましょう。
例えば、チャート上でフィボナッチ・リトレースメントの50%レベルと61.8%レベルが重なる場合、それは強力なフィボナッチのコンフルエンスゾーンを形成しているといえます。
つまり、フィボナッチのコンフルエンスとは、異なるフィボナッチが同じ価格レベルで重なるときのことを指すわけです。
上記チャートを見ると、コンフルエンスゾーンである長方形で囲っている価格帯で、レートが何度も反発しているのがわかると思います。
このように、フィボナッチのコンフルエンスはテクニカル分析をする際に、サポートレジスタンスを特定するのにとても役立ちます。
では、フィボナッチのコンフルエンスを使って、具体的にどのようにトレードに役立てれば良いのか?について解説していきます。
価格がフィボナッチのコンフルエンスゾーンに到達すると、市場参加者が注目し始めます。
このコンフルエンスゾーンは、多くの注文や取引活動が集中する場所であり、価格の反発が起きやすくなります。
要するに、FXトレーダーはフィボナッチのコンフルエンスゾーンを見極めるだけで、確度の高いエントリーを行うことができる事が可能になるということです。
では、どのようにフィボナッチのコンフルエンスを活用すればよいのでしょうか?
具体的にみていきましょう。
MAと組み合わせた分析に活用
フィボナッチのコンフルエンスは、単独で使用するのではなく他の分析手法と組み合わせることがとても重要です。
具体的に見ていくために、実際に僕が使っている20MAと200MAと組み合わせて分析してみました。
下記チャートを見て下さい。
チャート上の赤い線が20MA、緑色の線が200MAです。
20MAと200MAにロールリバーサルした後、フィボナッチのコンフルエンスゾーンで反発して上方向にレートが伸びているのがわかるかと思います。
まずは、20MAと200MAに逆行したエントリーは避けることを意識しましょう。
逆に、フィボナッチのコンフルエンスゾーンに到達しても、20MAと200MAに逆行したエントリーをすると、下記のチャートのようになります。☟☟
このように、フィボナッチのコンフルエンスで反発せず、下方向に価格が伸びていないのがわかると思います。
実際にトレードにおいてフィボナッチのコンフルエンスを役立てるには、
フィボナッチのコンフルエンスゾーンだけに頼るのではなく、20MA、200MAを組み合わせ、より確度の高いトレード判断を下すことがとても大切です。
FXを始める際、「エントリーポイントが明確になっていない」、「リスクリワードが安定しない」と悩んだりはしないでしょうか?
僕自身、ルール設定の時に悩むことが多く、何か便利な方法はないか?と良く考える事があります。
そんな時、フィボナッチのコンフルエンスを使用すると、
- エントリーポイントを明確にする。
- リスクリワードを安定させる。
- エグジットを明確にする。
といったことが同時に可能になります。
具体的なやり方としては、「フィボナッチのコンフルエンスゾーンを使用し、サポートレジスタンスを特定する」ことで、サポートレジスタンスを背にしてエントリーします。
そして、エントリーの際に下記ポイントをおさえてることで、リスクリワードを安定させることができます。
- ストップロスをサポートレジスタンスの少し後ろに置く。
- テイクプロフィットをフィボナッチの161.8%に置く。
エグジットの位置に関しては、2つのフィボナッチのN波動が達成するタイミングの161.8や200%が重なるゾーンが良いポイントとなります。
フィボナッチのコンフルエンスのメリットをまとめると下記のとおりです。
- フィボナッチ比率によって基準が明確になる。
- リスクリワードが一定になる。
- メンタルが安定しやすい。
フィボナッチ比率によって基準が明確になる
フィボナッチを使用したトレード戦略は、エントリーやエグジットの基準を明確にすることができます。
エントリーやエグジットの水準が分かりやすく明確であることは、ストレスフリーで長期的にトレードを続けていく上でとても重要なことです。
逆にフィボナッチを使用せずトレードする場合は、明確なエントリー、利食い、損切りのポイントを設定することが難しくなりまり、結果的にトレードの結果が安定しにくくなると感じます。
リスクリワードが一定になる
また、フィボナッチに基づいてエントリーポイントやエグジットポイントを設定することで、リスクリワードを安定させることができます。
これにより、エントリーしたい欲求から、「上がりきったところでロングしてしまい、リスクリワードの悪いトレードをしてしまう」ことを避けることができます。
メンタルが安定しやすい
明確なエントリーポイントとエグジットポイントを設定することは、メンタルの安定にもつながります。
フィボナッチの水準に到達するまではエントリーやエグジットができないため、「早くエントリーしたい」「損失を確定したくない」「もう利益を確定したい」などの気持ちの抑制につながります。
フィボナッチのコンフルエンスはテクニカル分析にとても役立ちますが、成功を保証するものではありません。
必ず、リアルトレード前にフォレックステスターやデモトレードでバックテストを行い、仕組みや理屈を理解してから活用するようにしてください。
また、FXトレードにおいては、テクニカル分析だけでなく適切なリスク管理戦略を組むことで1トレードの安定性を高めることも重要です。
そして、常にトレード結果を分析し自己フィードバックを行う事で、失敗から学び、成長をし続けられるトレーダーとなり、結果的にトレードの成功率を向上させることができるようになります。
是非、下記記事も参考にしてみてください。