こんにちは!波乗り道場生のこももと申します。2021年6月に入門し、日々トレード技術向上に取り組んでいます。どうぞよろしくお願いします!
今回は、トレンド系テクニカル指標の代表格である移動平均線を使った分析手法の基礎をまとめました。なるべくわかりやすいようにケーススタディも交えて解説します。
移動平均線の売買サインである「グランビルの法則」について書いた記事もあるので、是非チェックしてみて下さい。
ある一定期間の価格から平均値を計算しその値を結んでグラフ化したもので、設定期間の平均値が移動していくことから「移動平均」と呼ばれています。
価格の細かな上下動のブレを排除し平滑化させた移動平均線は、その傾きや角度、価格との位置関係から相場の傾向(トレンド)を判断する手掛かりとなります。
移動平均線は視覚的に分かりやすくシンプルに相場の状況を判断でき、また、様々なテクニカル指標に移動平均線の考え方が応用されているため、テクニカル分析の基本 とされています。
米ドル/円(日足チャート):200日単純移動平均線(SMA)
代表的なものとして、
- 一定期間の終値を平均化した単純移動平均線(SMA)
- SMAよりも直近の価格にウェイトをかけた線形加重移動平均線(LWMA)
- 指数平滑移動平均線(EMA)
などがあります。
LWMAとEMAは直近の価格に比重を置く事で、SMAと比べて価格の動きに早く反応する事から、値動きの変動をSMAよりも早めに確認することが出来ます。
SMA=赤、LWMA=青、EMA=緑
移動平均線によく使われる数値としては、短期(15、21、25)、中期(50、75)、長期(100、200)があります。
基本的な移動平均線、単純移動平均線(SMA)は、一定期間(n)の終値を合計し、nで割る事により求められます。
例えば200日移動平均線の場合は、直近200日間の終値を合計して200で割った値となります。
日足を基準とした場合、5日移動平均線は約1週間、20日移動平均線は約1ヶ月、75日移動平均線は約3ヶ月、200日移動平均線は約1年の平均と見る事ができます。
移動平均線の期間は長くなるほど変動が緩やかになります。ダマシ(売買サインと価格が逆行する現象)は少なくなる反面、期間の長さに比例して反応は鈍くなります。
短期線、中期線、長期線のうち、2~3本を組み合わせて分析に使うのが一般的で、それらはニュースやレポートなどでもよく見られます。
ユーロ/米ドル(日足チャート):21SMA=青、75SMA=緑、200SMA=赤
移動平均線の傾きや価格との位置関係に着目し、どのような局面であるかの判断が出来ます。
- 価格が移動平均線よりも上位にあり、移動平均線が上向きの場合は強気局面(上昇トレンド)
- 価格が移動平均線よりも下位にあり、移動平均線が下向きの場合は弱気局面(下降トレンド)
- 移動平均線が横ばいで、価格に絡むように推移している場合は方向感のない保ち合い局面(レンジ)
1.短期線と中(長)期線の組み合わせでトレンド転換のサイン(GCとDC)
期間の異なる複数の移動平均線を組み合わせる事によりトレンド転換のサインも見ることが出来ます。よく知られている方法として、ゴールデンクロス(GC)とデッドクロス(DC)があります。
移動平均線は、平均値を取る期間が長いほど傾きの変化が緩やかという特徴があり、2本以上の移動平均線のクロスはこの特徴を活用した分析方法となります。
短期移動平均線が中(長)期移動平均線を下から上に突き抜ける現象をGCと言われ買いサインとなり、短期移動平均線が中(長)期移動平均線を上から下に突き抜ける現象をDCと言われ売りサインとなります。
短・中期線が長期戦を下から上に突き抜けている(GC)=上昇トレンド入りを示唆
注意点としては、移動平均線はその計算方法から常に値動きを後追いして変動する指標のため、価格の変動に対しての反応に遅れがあり、クロスの発生までにタイムラグが生じてしまう事が挙げられます。
また、レンジ相場になると横ばいとなり移動平均線がすぐにクロスしてしまうため、GC・DCのサインが頻繁に起き、逆指標(本来のサインとは逆)になりうる事にも注意しておきたいところです。
レンジ相場=短期・中期線が価格に絡まるように推移しており、長期線の角度は下降から緩やかに横ばいへと推移
2.売買タイミングの判断ーグランビルの法則
先にも述べましたが、移動平均線は、傾きや角度、さらに価格との位置関係に着目することで、今の相場がどの局面にあるのかを判断する事が出来ます。
また移動平均線は、過去の一定期間内の平均値であることから、移動平均線からの「乖離」はやがて修正されるという考え方があり、移動平均線と価格の乖離を計る事により、逆張りの売買タイミングを判断する事も可能になります。
それらの売買タイミングを判断する有名な投資理論に、「グランビルの法則」があります。その法則は、以下計8つの売買タイミングで成り立っています。
短期移動平均線(21)と中期移動平均線(75)のゴールデンクロスに、プライスアクションを加えた買いエントリーの一例をご紹介します。
ケーススタディ:米ドル/円(1時間足、15分足)
それまでの下降トレンドを否定する上昇波が出現しました。
それにより、短期線が下降から上昇に転じ、中期線とのゴールデンクロスの可能性も出てきました。上昇波を1波とし、押し目買いを狙います。
直近高値を抜けた後、水色水平線まで価格が戻ってきました。
フィボナッチリトレースメントおおよそ38.2%戻しと重なる水準です。ここでのプライスアクションを見てエントリーのタイミングを計ります。
15分足です。
ダブルボトム・ネックライン抜けでエントリーか、ダブルボトムが形成される想定で下値を試した所からのエントリーを実行します。
損切り(SL)は安値の下に置き、利確目標(TP)は下降トレンドが始まった起点高値とフィボナッチリトレースメント161.8%が重なる辺りとしました。
リスクリワード比はおおよそ1:2のトレードです。
ここで特筆すべき点は、時間軸を変えると移動平均線の位置や角度が変わって見えると言う点です。
実際にトレードする場合は、どの時間軸を狙っているのか、基準を決めておく必要があります。
移動平均線は期間を自由に設定できます。
初めはどの数値が良いのか悩むこともあるかと思います。移動平均線は単体で使うよりも、他のテクニカル指標やプライスアクション等との組み合わせにより精度を上げる事が出来ますので、あまり細かな数値設定にはこだわらなくても良いのかなと個人的見解です。^^
是非、過去チャートで沢山確認してみてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。これからも共に相場の勉強を頑張っていきましょう!^^