こんにちは。波乗り道場生のこももと申します。2021年6月に入門し、トレーダーとしての技術向上に日々奮闘中です。どうぞよろしくお願いします。
今回は、ローソク足考案者でもあり、江戸時代の米相場で莫大な資産を築いたと言われる本間宗久氏によって編み出された5つの法則「酒田五法」のうち、現代でも代表的な転換のチャートパターンとして使われている「三山」と「三川」について解説いたします。
酒田五法には、「三山(さんざん)」「三川(さんせん)」「三空(さんくう)」「三兵(さんぺい)」「三法(さんぽう)」の5つの法則があります。
- 三山・・・天井圏を示唆。天井を形成するローソク足のパターンの事で、上昇トレンドから下降トレンドへの転換期となります。
- 三川・・・底値圏を示唆。三山と逆パターンで底値を形成するローソク足のパターンの事で、下降トレンドから上昇トレンドへの転換期となります。
- 三空・・・急騰・急落の過熱感を示唆。三つの空(窓)が3回出現したパターンの事で、相場が行き過ぎていると見なされ反転のサインと判断されます。
- 三兵・・・強い値動きを示唆。陽線または陰線が窓を開けずに連続して3本出現したパターンの事で、相場基調の強さが確認出来ます。
- 三法・・・保合いや踊り場を示唆。売り買いが交錯して方向感が定まらない状態を意味し、時には休むことも必要である事を説いています。
「三山」は相場が上昇局面にある時に、上値を3度試したものの上昇しきれない時に現れるパターンで、上昇相場の終焉を示唆しています。
現在では、トリプルトップとも呼ばれています。
また、三山の3つの山の真ん中が左右の山よりも高くなっているものは、三尊(さんぞん)や、ヘッドアンドショルダーズ・トップとも呼ばれており、これらのパターンが高値圏で現れた場合、強い抵抗帯を確認出来た事になり、上昇から下降へ転じる可能性を示すサインとなります。
上記の図は、三尊のパターンとなります。3度目の山が出現後、それぞれの山の安値を結んだライン(ネックライン)を割り込んだときが、売りサインとなります。
売り①はネックライン割れでのエントリー、売り②はネックラインを割った後に再度ネックラインを試す動き(ロールリバーサル)を確認してからの売りとなります。
・売り①は、サポートとなっていたネックラインを割ったのにも関わらず、売りが続かずに再度ネックラインの中に価格が回帰するダマシ(売買サインと価格が逆行する現象)が起こる事があります。
・売り②は、ロールリバーサルを確認してからの売りになりますのでダマシに遭いにくくなりますが、ロールリバーサルが起きずにそのまま下落してしまう場合があります。
個人的にはダマシが少ない売り②がお勧めです。置いて行かれた時は諦めて次のチャンスを待つ事が肝要です^^
三山は天井を確認したら売り、ということではありますが、「天井での逆張りは狙わずに天井を確認してから順張りで売れ」という奥深さを含んでいます。
「三川」は相場が下落局面にある時に、下値を3度試したものの下降しきれない時に現れるパターンで、下降相場の終焉を示唆しています。
3つの安値を谷、谷には川が流れていると考えて、三川と言われています。現在では、トリプルボトムとも呼ばれています。
また、三川の3つの谷の真ん中が左右の谷よりも低くなっているものは、逆三尊(ぎゃくさんぞん)や、ヘッドアンドショルダーズ・ボトムとも呼ばれており、これらのパターンが底値圏で現れた場合、強い抵抗帯を確認出来た事になり、下降から上昇へ転じる可能性を示すサインとなります。
上記の図は、逆三尊のパターンとなります。3度目の谷が出現後、それぞれの谷の高値を結んだライン(ネックライン)を上抜けたときが、買いサインとなります。
買い①はネックライン上抜けでのエントリー、買い②はネックラインの一段上の高値を抜けた後に一度戻しが入っています。逆三尊が完成し、N波動が形成されたことにより上昇トレンドの始まりを見ることが出来ます。
三川は底を確認したら買い、ということではありますが、「底での逆張りは狙わずに底を確認してから順張りで買え」という奥深さを含んでいます。
酒田五法は、江戸時代の米相場で使われた日本古来の分析法ですが、相場状況を知る手掛かりとして現代でも通じる非常に有用なチャートパターンとなっています。
上図でご紹介した三山・三川は、高値圏や底値圏で確認される事で優位性を高めることが出来ますから、「どこで」出現したのかを把握しておくことがとても大切になります。
どの時間軸においても同じように転換時によく見られるパターンですので、ぜひ過去チャートを遡って確認してみてください。