お疲れ様です!波乗り道場生のほりんです。
今回はローソク足を細かく、具体的に見てみようというお話です。FXを始めたばかりの人がまず覚えようとすることはインジケーターや三尊をはじめとしたチャートパターン、鉄板のエントリーポイントなど、簡単に言うと「儲かりそう」なトピックが多いように感じます。特段悪くはないですし、かくいう僕もそうでした。
そして「ローソク足の形」と聞くと、細かいことのように思えるし地味なので面倒な印象を持つ人が多いようにも感じます。
しかし1本のローソク足は過去の値動きの軌跡であり、未来のチャートを見据えてトレードする時の重要なヒントが隠されています。
そこで本記事では1本のローソク足から読み取れる値動きと意味を一緒に見てみたいと思います。
まず一本のローソク足を見るメリットからお伝えすると、直近の相場の流れを理解することができます。要するに環境認識に使えるということです。
僕たちトレーダーはチャートの右側が見えていない状態でトレードする訳ですから、左側の「過去の値動き」から相場の流れを判断して売買するしかありません。
そこで重要なのが直近のローソク足の形です。特に上位足と呼ばれる日足、週足、月足の一本のローソク足は相場に対して支配的な役割を果たすのでローソク足の形とその意味を知ることで次のローソク足がある程度予測できるようになります。
予測できるようになると言うことは「トレードで勝てるようになる」ということでもあります。
大陽線・大陰線
上の図は大陽線の事例
過去数本の足と比べて実体部分が長いことが分かり、陽線なら買い方向へ、陰線なら売り方向へ強い圧力がかかっていることを示します。また上下のヒゲが比較的短いことも特徴です。
このローソク足を下位足に落としてみると、ほとんどリトレースせず一方的に最後まで上昇していたことが見てとれるので、特に注目するべきローソク足と言えます。
小陽線・小陰線
上の図は小陰線の事例
大陽線と大陰線と比べると小さく、やや方向感が出ているローソク足です。基本的には売りと買いの勢力が、ほとんど拮抗していると判断できます。
上の図、1時間足のように小陰線を「三兵」と呼ばれる、陽線が三連続で出た強いプライスアクションなどで抜いた場合はそれまでとは逆の方向へ価格が一気に走る可能性が高くなりますので、「様子見のローソク足」と覚えておくと良いかもしれません。
上影陽線・上影陰線(うわかげようせん・うわかげいんせん)
上の図は上影陰線の事例
ローソク足の上側が長いヒゲになり、実態が下側に偏っているローソク足になります。出現した場合は売られる可能性を示唆しており、特に相場の天井付近で現れた時は確度の高い売りエントリーの根拠になり得ます。
また下位足で見てみると面白いことが分かるのですが、上昇した分だけ全て下落しているのが分かりますよね。要するに「上昇の否定」を意味しますので売りに転じる可能性が強いと判断することができそうです。
下影陽線・下影陰線(したかげようせん・したかげいんせん)
上影陽線・上影陰線とまったく逆の概念を現すローソク足です。ということは相場の底で出現した場合は上昇へ転じる可能性を示唆します。下位足を見るとやはり売られた分だけ買われた「下降の否定」を見せるケースが多いです。
十字線
始値と終値が全く同じ価格で実態が皆無のローソク足です。更に上ヒゲと下ヒゲの長さが同じ場合は、買い勢力と売り勢力が完全に拮抗していることが判断できます。
一般的には「相場が転換するサイン」と言われるローソク足になるのですが、下位足で観察してみるとノントレンドないしレンジ相場であることが分かります。と言うことは十字線を抜けた方向へ短期的には伸びていく可能性が高くなります。
よって「相場の転換」を示唆するローソク足と言うよりは、「トレンドが転換するか継続するかの起点」となるローソク足と表現した方が適当かと考えます。
自分がトレードしているのは上位足ではどんなローソク足?
今回はFXを実践していく中で、基本となる五つのローソク足について解説させて頂きました。
ローソク足一本といえども侮ることはできないことを本記事で少しでも感じていただけたら幸いに思います。
特に日足以上の上位足で作られた一本のローソク足はたくさんのトレーダーが売買を行った痕跡ですから、未来の相場で支配的な影響力を持つことは容易に想像ができると思います。
もしも自分は負けてばかりいると実感しているのであれば一度、一本のローソク足に注目して相場を見ることをお勧めします。そして本記事で紹介したように下位足で分解して値動きを見ることによって、「自分が普段どのような上位のローソク足でトレードしているのか」振り返ることができるので、無駄な負けトレードを減らすことができるはずです。
特に今現在、手法やインジケーターなどの「色物」ばかりに目が行きがちな初心者の方には是非「一本のローソク足に注目する」ことを実践して頂きたいと思います。