お疲れ様です。波乗り道場生のほりんです。
今回も、前回前々回の記事に引き続いて初級ケーススタディの第三弾をお送りします。
ケーススタディとは過去チャートを使って、すでに出来上がったチャートを元に様々なパターン検証を行うFXの訓練方法です。
この過去チャートを使った検証方法に対してはFX界でさまざまな賛否両論があるのですが、実績のある数多くのプロトレーダーが実践している方法です。
特に初心者トレーダー、そして今現在まだ成果が出ていないトレーダーの皆さんでしたら百聞は一見に如かず。
とりあえず本記事で出題する三つの問題に取り組んでいただき、過去チャートであっても相場の難しさと奥深さを体感していただければと思います。
なお本記事で紹介する問題の解答例は一般的な相場の解釈と、僕の理解を現したものになります。
どのような相場状況においても必ず当てはまると言う訳ではありませんので予めご了承ください。
細かなジグザクを作って上昇トレンドがしばらく続いていたため、安値を結ぶようにトレンドラインを引きました。
するとトレンドラインを抜け、しかも今までの上昇で作られたローソクと比べても大きな陰線が出てきました。
そこで問題です。
あなたはこの場面でトレンドラインブレイクをしたからという根拠で売りますか。それとも見送りますか。
理由も含めて答えを出してみましょう。
上昇トレンドに対する押し目を形成中の相場です。
チャートを監視しているとフィボナッチリトレースメント38.2%の第一押し目ポイントで、反発を示唆するダブルボトムらしきチャートパターンが出現しました。
その後も暫く見ているとついにダブルボトムのネックラインをブレイクしました。
そこで問題です。
あなたはこのタイミングでロングエントリーしますか。それとも見送りますか。
いやいやまだまだ押しを深くつけるはずだからと考えて売ってみますか。
理由も含めて答えを出してみましょう。
上昇トレンドが落ち着いて長めのレンジを形成、ずいぶん前に引いておいたトレンドラインをついに確定足でブレイクしました。
さらにトレンドラインの下でトレンドの反転を示唆するチャートパターン、三尊天井が形成されました。
しかも三尊天井の右肩ではご丁寧に大陰線の包足まで、おまけをつけてくれています。
そこで問題です。
あなたはこの場面で売りエントリーをしますか。それとも見送りますか。
逆にここで買ってみましょうか。理由も含めて答えを出してみてください。
また今回は利確する時の根拠も合せて考えてみてください。
解答、売りエントリーしません。
この問題は簡単だったのではないでしょうか。
そもそもトレンドラインをブレイクしたからと言ってトレンドが転換したと判断してはいけません。
これはあくまでダウ理論をベースとした考え方にはなるのですが、今回の上昇トレンドの場合は上の画像で示した最後の押し安値をブレイクした後、さらに高値と安値が切り下がったら初めて下降トレンド入りしたと判断できます。
しかし画像の相場では安値の更新に失敗し、安値切り下がりとはなりませんでした。
要するに下降が否定された訳ですので、まだまだ上昇トレンドが継続する可能性が高いのではと判断したい場面です。
解答、売りエントリーしません。
まずフィボナッチリトレースメント38.2%というのは一つ目の押し目ポイントであり、ここでエントリーするのであれば根拠を積み上げて慎重に立ち回らなくてはならない場面です。
そこでもう一つの根拠として登場したのがダブルボトムなのですが、チャートパターンの中ではそこまで強くない形です。
今回のように浅い押し目であれば逆三尊やボックスレンジブレイクのような時間をしっかり稼いだ後のチャートパターンを根拠にエントリーしたいところです。
そして今回の相場は実のところ、上の図のようにダブルボトムのネックラインブレイク後、再度上昇トレンド継続のN波形が完成。
しかもN波形の第二波安値がネックラインに対するプルバックになっています。
その後再度、少し押して包足が出現したので、ここが根拠を積みまくった理想的なエントリーポイントではないかと考えます。
解答、売りエントリーします。
トレンドラインをブレイク後、三尊天井によって価格調整と時間調整がしっかりされています。
しかも三尊天井のトップはぴったりとトレンドラインにリテストしてから価格を下げています。
三尊天井の右肩で出現した包足は、これまで時間調整して来たローソク足をほとんど否定してしまう強い大陰線なので、損切りの設定が少し難しいところですが思い切りのあるトレーダーでしたら売りでエントリーできた場面ではないかと思います。
そして利確に関してはやはりトレンドラインを上の図のように使ってローソク実態で割れた時点で決済とすればリスクリワードで二倍以上とれた相場となります。
お疲れ様でした。
皆さんは三問中何問、正解することができたでしょうか。
実は今回、上昇トレンド中のつながった相場の場面を時系列にして問題を出題してみました。
同じ押し目買いでも、相場は毎回違ったふるまいをしますので下手すると上昇中なのにも関わらず「売り」なんてしてしまうのはあるあるだと思います。
そのためエントリーする時は必ず、基準をもって相場を見ることが大切になりますし、いざロットをはってクリックするには根拠の積み上げが絶対条件となります。
ということで皆さんも本記事で紹介したような相場をご自分のチャートで探し、トレンドラインをたくさん引いて、ラインブレイク後の相場の振る舞いをチェックしてみてください。
きっといろいろな気づきがあるはずです。