そもそも、チャートにラインを引くのは何のためでしょうか。
それは「トレードをしやすくする為」です。
チャートにラインを書き込むことで、直感的には見えなかった色々な情報が読み取れるようになります。
しかし水平線や斜め線は引こうと思えば無限に引けてしまう為、初心者の方は特にどの線がどういう意味を持つラインなのか分からないままに引いてしまうのではないでしょうか。
ラインだらけでごちゃごちゃになったチャートを見て、またラインを引き直す。
そういったラインの罠にはまらないように、解決方法を具体例を挙げながら示していきたいと思います。
水平線は価格を意味しますが引く場所によって意味合いは変わってきます。
水平線①:サポートライン・レジスタンスライン
下図のチャートはUSDJPYの日足です。
左の完成したトレンドの戻り高値にレジスタンスラインを引いています。
完成した波を「親波」と呼びます。
トレードは親波に答えが書いてあるので、親波を左におくとトレードしやすいと思います。
サポートラインやレジスタンスラインは、そのままエントリーポイントになります。
日足にラインを引いて、下位足でライン付近の攻防を確認する。
ラインを抜けないようであれば反発を狙う。
ラインを抜けるようであれば戻りを待ってからエントリーする。
波乗り波動を活かす場合、サポートラインやレジスタンスラインを背中にする、フィボナッチの数値に重要なラインを加味する事でエントリー精度が上げる事ができます。
エントリーポイントについては下図のようになります。
青いラインが価格の流れ、緑色の丸がエントリーポイントになります。
水平線②:ネックライン
ネックとは日本語で首の意味であり、人間にとって首は急所である事と同様にチャートの急所になるのがネックラインになります。
相場参加者の損切注文が集まるポイントになりますので、ネックラインを抜けるとトレンドが反転するサインになります。
赤い丸の部分でネックラインを抜けた事で価格が反転している事が分かります。
左側の下落の赤丸は抜けた時点でトレンドが完成している為、すぐに戻りからエントリー可能です。
ただし、ネックラインの抜けが甘い場合、ネックラインタッチからエントリーするのではなく、しっかりと戻りを待ってからエントリーしてください。
波乗り波動論を学んでいる方はルールを守ってエントリーすれば問題ありません。
今回の下落は親波のラス押し付近で止まっています。
右側の上昇の赤丸は抜けた時点ではトレンドがついていない為、トレンド発生を確認してからのネックライン戻りがエントリーポイントになります。
ネックラインとラス押しが兼ねているラインを抜けていますので優秀な1波と言えます。
波乗り波動論の安定点で悩んでいる方は、ネックライン抜けの波を安定点とする事でトレンド反転の初動を狙う事ができ、ラインを背にする事で損切されにくいトレードが可能です。
水平線③:ラス押し(戻り高値・押し安値)
ダウ理論上、ラス押しを抜ける事でトレンドの終焉を意味します。
ラス押しを抜けただけでは、明確なトレンド転換にはなりませんが、ネックラインと同様に相場参加者の損切注文が集中しやすいポイントになりますので、トレンドの反転を示唆します。
上図のように、ラス戻り抜けの20MAタッチがエントリーポイントになります。
斜め線は価格に時間を加味したラインになります。
水平線よりも早く、トレンドの継続や転換を察知する事ができますが、
実体に引くのか、ヒゲに引くのか、ヒゲはどこのヒゲを基準に引くのか、
といったように、水平線以上に人それぞれの個性が出ます。
扱いは難しいですが、非常に強力なラインになりますので理解できると強力な武器になるでしょう。
斜め線①:切り上げライン、切り下げライン
トレンドが発生する前に引かれるラインになります。
「トレンドラインになるであろうライン」とも言えます。
トレンドが発生していないので、ラインを割ってもトレンド転換したとは言えず、ラインとしては弱いラインになります。
三角持ち合いなどでも切り上げラインや切り下げラインは引かれますが、
この場合はチャートパターンになっていて2波or4波の調整波と言えるので、抜けた方向にトレンドが伸びやすくなります。
斜め線②:トレンドライン
トレンドが発生している波に引かれるライン。
切り上げ(下げ)ラインがトレンドラインに昇格する事で次回のトレンドラインタッチが有力な押し目候補になります。
3点目のラインタッチからのエントリーは精度の高いエントリーポイントになる。
トレンドラインの内側にいる間は相場の勢いが強い事を意味します。
時折、4波目でトレンドラインを割って5波で上昇するケースもありますが、トレンドラインにリテストでタッチしてから相場が反転する事が多くなります。
斜め線③:チャネルライン
チャネルとは斜めのレンジの事で、そこに引かれるラインがチャネルラインになります。
チャネルラインにもトレンド発生前に仮で引くラインと、トレンドライン兼チャネルラインとなっているラインの2種類があり、後者の方が強いラインになります。
青色のラインがチャネルラインになります。
方向や価格の目標が分かりやすいのが特徴になります。
いかがでしたでしょうか。
ラインを引く上で重要なのが、「このラインは何のラインなのか」を把握する事と「ここを抜けたら相場が反転する」という部分に絞って引くという事です。
また、上位足にラインを引いて、下位足はエントリーの補助になるラインに絞る事でチャートがすっきりとしますので、是非試してください。