こんにちは。波乗り道場生のこももと申します。2021年6月に入門し、トレード技術向上に日々奮闘中です。どうぞよろしくお願いします。
今回は、バルサラの破産確率表から見たFXにおける資金管理法についてまとめてみました。
バルサラの破産確率とは、数学者の「ナウザー・バルサラ」という人物が1992年に出版した著書「Money Management Strategies for Futures Traders」にて提唱された理論で、①勝率、②ペイオフレシオ(損益率)、③リスク許容度によって導き出された破産確率を表にしたものがバルサラの破産確率表と呼ばれています。
ここで言う破産とは、取引が不可能になるまで資金が無くなる事を指しています。
破産確率表には3つの変数が使われています。
①勝率(総トレード回数の中で利益になったトレードの割合)
勝率=利益回数÷総トレード回数
②ペイオフレシオ(勝ちトレードの平均利益額と負けトレードの平均損失額の比率)
ペイオフレシオ=利益回数÷総トレード回数
※ペイオフレシオは損益率、リスクリワードレシオ、とも呼ばれています。
③リスク許容度(一回の取引で失う最大損失と総資金の比率)
破産確率は、リスクに晒される資金割合に応じて変わりますので、①と②のマトリックスに以下の「③リスク許容度」を加えます。
1回のトレードにおける最大リスクの割合を総資産(口座資金)の何%に設定するか、によって破産確率は大きく変りますので③のリスク許容度は大変重要な要素であると言えます。
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なお、破産確率は、下記の計算式で求められます。
各数値を下記のように設定します。
勝率=P 損益率=K 資金率=B 総資金=N
次の式を満たす変数Xがあるとき、
X=P × X^(1+K)+(1-P) ただし0 < X < 1
破産確率=X^(N/B)
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横軸が勝率、縦軸がペイオフレシオ(損益率)、表中の値が破産確率になります。
FXでは一般的に、安定した運用を目指すには1回のトレードに使う資金は総資金の2%までを推奨されていますので、リスク許容度(資金率)2%を例に表を見てみます。
こちらの表では、例えば「勝率50%、損益率1.1」のデータを持つ手法である場合の破産確率は1.07%となります。
バルサラの破産確率表の数値は「同じ条件でトレードをし続ける」ことが前提となります。
自身のトレード結果を振り返り、目標値に届かない場合は破産確率表を基に具体的に次の目標を立てて行きましょう。
トレードルールを設定するときには、目標とする数値を決める必要があります。
上記の表では「勝率50%、損益率1.1」のデータを持つ手法である場合の破産確率は1.07%でしたが、同じ手法でも勝率を55%に上げた場合は0%、もしくは損益率を1.2に上げた場合は0.03%とぐっと安全圏に入ってきます。
更に、バルサラの原書に「勝率とペイオフレシオ(平均損益比)は取引内容によって変わるが、リスクを負う資本の割合は資金管理によって決まる」とあるように、資金率を下げる事によって、よりリスクを抑える事が出来ます。この資金率は資金管理に関わるところであり、自身でコントロール出来るものです。
バルサラの破産確率表を参考にする事により、損益率と勝率の適正バランスを把握することが出来、それに資金率を加える事によって導き出される確率からトレードルールの安全性と期待値を自身で評価することが出来ます。
手法が確立し、安定した成績を継続的に出せるようになれば、ハイリスク・ハイリターンな取引スタイルも選択出来るようになって来ますが、まずは投資初心者にとっては、自身の資金におけるリスク許容度をしっかりと把握した上での、安全性の高い運用スタイルの構築はとても重要な事と考えます。
資金管理は様々な方法があります。下記の波乗り道場の動画も、是非ご参考になさってください。
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